2019年12月14日土曜日

Asanaって合目的で合理的で不自然なものかもしれないというお話

ひねくれヨガインストラクターの宮森です。
3月15日に向けて背骨やら歩行やらの本を見直しています。
専門用語満載の内容を一般の方に向けて言葉を変換したり、ポイントを絞ったりとやることいっぱいです。
いやー…できるかなー…(笑)


さて、今回は普段から気になっていたことを書き留める内容です。


誰かに向けてのアウトプットではないのですが、これをお読みになったあなたが私の疑問に対する答えをお持ちだったらご連絡いただけると幸いです^^
(書いているうちに自分の中ではある程度完結はしたのですが)



Asanaを取る過程のお話① 前屈編

Asanaの多くは日常生活において行うことが少ない、もしくはないものが多いです。
体を大きく横に倒したり、大きくひねったりする動きは、職業やスポーツ動作を除けばなかなか日常ではしないと思います。


私の好きなUtthita Trikonasanaは日常ではしないでしょう
私の好きなUtthita Trikonasanaは日常ではしないでしょう


ところで、私が疑問を持っているのはAsanaの完成系(形)だけでなく、その過程にもあります。


例えば、体の前側を縮める前屈という動作があります。
前屈系のAsanaでは背骨は伸ばしたまま、股関節から折りたたむように体を曲げていきます。
太陽礼拝でも出てくる深い前屈をするUttanasanaを例にしてみましょう。


体の硬そうなUttanasana…股関節に注目
体の硬そうなUttanasana…股関節に注目


でも、普段からこんな動きをするでしょうか。
日常で前屈をするとすれば、『落ち穂拾い』のように、腰を曲げて屈まないでしょうか?


ミレーの『落ち穂拾い』 腰椎曲げまくり祭
ミレーの『落ち穂拾い』 腰椎曲げまくり祭


この『落ち穂拾い』スタイルを続けるとは十中八九、腰を悪くしますが…。
それだけに股関節を使った前屈をした方が体の負担が少なくなるのは事実ではあります。
とはいえ、果たして股関節から折りたたむ前屈が“自然”なのかは疑問です。



Asanaを取る過程のお話② 回旋編

個人的には体をひねる(回旋する)ポーズがとても好きです。
人が人として生きていく上で、ひねり(回旋)はとても重要だからです。
※この辺りは3月15日に長野県上田市でお伝えできるかと思います。


さて、Asanaの中でひねるポーズはいっぱいあって、Ardha Matsyendrasanaなどがあります。


最近少し苦手なひねるポーズ
最近少し苦手なひねるポーズ


ところで私はこのひねるポーズの際の声かけ(ガイド)が気になりました。
私が今までクラスに参加したり、ヨガインストラクターさんに聞いたりしたものとしては、時系列にすると以下のようなものが多かったです。


1. 安定した坐位(立位)を確保
2. 息を吸って背骨を伸ばす
3. 息を吐きながら腰 → 背中 → 首の順でひねる
4. 最後に目線を回旋方向(自分の体の後ろ)に向ける


特に注目して欲しいのが3と4の流れです。
私の知る限り、ひねるポーズは必ずと言っていいほど、体の下から上に向かってひねっていきます。


でも、ここで思い返してみてほしいのです。


自分の後ろから誰かに声をかけられた時、何か物音がした時、何かが光った時、何かが匂った時など、とにかく自分の後ろ側に注意を向けて振り返るとしたら、果たして腰から体を捻るのでしょうか?
おそらく多くの方が目線や頭、首を先に対象物の方に向けて、その後に体を捻るのではないでしょうか。


こんな感じで視線を先に送ると思います
こんな感じで視線を先に送ると思います


日常生活の体をひねる多くの場面において、おそらく動く順番は目線から腰にかけて、つまり上から下にかけてひねるはずです。
つまり、果たして腰からひねる回旋が“自然”なのかは疑問だと私は思うのです。


ちなみに腰椎の関節(椎間関節)は関節面が垂直に近くなっています。


腰椎
腰椎


関節面が垂直ということは、横に倒す動き(側屈)や、ひねる動き(回旋)はほぼ動かず、前後に倒す動き(前屈・後屈)に有利な構造ということです。
股関節は捻っても良いけど、腰をたくさん捻ったら椎弓が割れて(骨折して)分離症になるよって話です。



Asanaは合目的で合理的で不自然なもの

冒頭にお伝えしたように、そもそもAsanaの多くは非日常的なものが多いです。
とは言え、私は批判をしているわけではありません。


YOGAをボディワークとして捉えた場合
普段動かしていない部位を動かす
体の動かし方のバリエーションを増やす
動かし方や動かす幅を変えることで体にかかる負担を分散する
などの効果があると考えられます。


そういった意味では、体を整えるという合目的な意味合いがあると思います。
ただ、実際にはYOGAにおいてはAsanaを取ることが目的ではなく、“その先”がありますから(YOGAは体の浄化ではなく、心の浄化が目的ですし)、目的というのは人によって、その深さによって変わってきます。


また話を戻しますと、Asanaはあくまで非日常です。




絶対日常ではしない鳩王のポーズ
絶対日常ではしない鳩王のポーズ


もちろん、これを日常レベルまでに落とし込んだら日常になるのでしょうけど、そのレベルまでになっている人はヨガインストラクターの中でもどれだけいるのかは分かりかねます。


そして、私はこの非日常なものが、お伝えしてきたように体の動かし方においてある種の“不自然さ”を生んでいると思います。
YOGA自体が元々は古代インドの諸宗教の修行法という位置づけであるからこその“不自然さ”なのかもしれません。
動かし方が“不自然”だからこそ、その動き1つ1つに意味を見出したり、注意を向けたりすることが大事なのかもしれません。



“不自然なこと”をすることの意味

私の予想ではありますが、“不自然なこと”をするのは修行的な意味合いがあるのでは?ということをお伝えしました。


また、他の意味合いがあるとすればスキーマの形成というものがあると思います。
スキーマというのは、本来は図式とか計画という意味合いがありますが、ここでは「体を動かすイメージ」というような意味合いで捉えてください。


例えば、スキップってできる人とできない人がいますよね。


もう少し楽しげにスキップすれば良いのに…
もう少し楽しげにスキップすれば良いのに…


スキップができない人は、スキップのためのスキーマがないのです。
言い換えれば、スキップをするための体の動かし方のイメージがないということですね。
ないものは練習して作っていくのですが、ちなみにこの過程を運動学習と言います。


さて、話をAsanaに戻します。
Asanaは“不自然”な体の動かし方をしますが、それをすることによって新たなスキーマが形成される(運動学習が進む)と考えられます。
すごく簡単に表現すれば、体の動かし方のバリエーション・選択肢が増えるという感じです。


頻出するAsanaだけど苦手な人も多いAdho Mukha Svanasana
頻出するAsanaだけど苦手な人も多いAdho Mukha Svanasana


体の動かし方のバリエーション・選択肢が増えるということは、何か1つの方法ができなくなった時にも、別の方法で対応ができるようになるという意味を持ちます。
理学療法士、そして整体師として患者さんの体をみてきた立場からすれば、体の動かし方のバリエーション・選択肢が多くあるということは非常に意味があると思います。


私の経験ですが、患者さんというのは大抵、ある目的動作に対しての動作のバリエーションが少なく、それができなくなったことで日常生活に支障をきたしている方が多いのです。
こういったことから、体の動かし方のバリエーション・選択肢は多い方が良いと思います(選択肢が多いと、どれを選択するか、という問題も生じますが)。
そういった意味では、ボディワークをすることは“備え”にもなるわけですね。



まとめ

今回はAsanaにおける体の動かし方の理由が知りたくて(考えたくて)記事を書きました。
私の書いたことが1つの真実だとするならば、“不自然”な体の動かし方にも意味があるのかもしれません。


ただ、やはりAsanaは“不自然”なもので、体の動かし方としては高度だと思います。
普段からの体の動かし方と、Asanaの体の動かし方そのものが違うとすれば、高度なことができる=基本ができているとは言い切れません。


では、基本となる体の動かし方は…それはやっぱり”あたりまえヨガ”ですね!
(宣伝は忘れません 笑)
とりあえず、寝返りから始めてみては?





今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

-------------------------------------------------------------

<情報の発信のあれこれ・登録されると宮森、小躍りするってよ>

🤸‍♂️あたりまえヨガ公式HPはこちら↓
あたりまえヨガ公式HP



🤸‍♂️宮森YOGA LINE登録はこちら↓
※ほぼ宣伝と資料プレゼント。ただ想いは強め(2019年10月現在)
宮森YOGA LINE登録
あ、これは登録してくれると嬉しいんですよ。Majide。



🧘‍♀️野口由里絵・宮森大地の日本全国ヨガの旅(Facebook)はこちら↓




🧘‍♂️長谷川弘樹・宮森大地のあたりまえヨガ(Facebook)はこちら↓

0 件のコメント:

コメントを投稿